同じ延床〇㎡なのに、なぜ狭い?|数字と体感がずれる理由を解説

家づくりの打合せで、「延床100㎡です」と言われても、正直、それが広いのか狭いのか、よく分からないまま話が進んでいませんか。

「㎡」は、家づくりで必ず出てくる数字です。
ですがこの数字、意味を理解しないままでいると、住み始めてから、数字と感覚のズレを感じやすくなります。

とはいえ、専門用語を勉強したり、法律を調べたりするのは面倒ですよね。
時間もかかるし、正直、そこまでしたくない。

このコラムでは、「㎡とは何か」を難しく説明するのではなく、

家づくりのために、どこだけ押さえればいいのか

そのポイントを整理します。
読み終わる頃には、「延床〇㎡」という数字に、必要以上に振り回されなくなっているはずです。

目次

「㎡」とは何を測っている数字か?

まず、「㎡」はとても単純な数字です。
縦×横で測った面積を表しています。

1m×1mで1㎡。
2m×3mなら6㎡。
この考え方で、家全体の床の広さを合計したものが、「床面積〇㎡」です。

建築基準法で使われる床面積は、「原則として壁の中心線(壁芯)」で測定されます。
部屋の使い勝手や、 人がどう感じるかは関係なく、図面上で決められた位置を基準に、機械的に面積を出します。

つまり㎡は、「どれくらいの床があるか」を誰が見ても同じ結果になるように数値化したものです。

この数字は、申請や規制、建物同士の比較にはとても便利ですが、「広く感じるかどうか」までを直接表しているわけではありません。

だから、「㎡」の意味を知らずに数字だけを見ると、実際の空間との間に、小さなズレを感じやすくなります。

「㎡」が使われる理由

家づくりで「㎡」が重視される理由は、建築基準法の多くのルールが、「㎡」で表された面積を基準に決められているからです。

代表的なのが、建ぺい率や容積率です。
これらはすべて、敷地や建物の面積(㎡)をもとに計算されます。

例えば、
「この敷地には、延床〇㎡まで」
「これ以上大きくすると法的に建てられない」
といった判断は、すべて㎡の計算結果で決まります。

設計の段階では、まず「この敷地で、どこまでの㎡が使えるか」を整理しなければ、間取りの検討にすら入れません。
つまり㎡は、デザインの前に立ちはだかる「建てられるかどうか」を分ける基準です。

ただし、ここで決まるのは、建物の大きさの上限まで。

  • その中をどう使うか?
  • どんな空間にするか?

は、また別の話になります。
「㎡」は、家づくりのスタートラインを引くための数字であり、すべてを決める数字ではありません。

同じ延床〇㎡でも、体感が変わる理由

同じ延床面積でも、住んだときの広さの印象が変わることは、よくあります。
その理由は、数字だけでは空間の広さを判断できないからです。
例えば、延床100㎡の家でも、

  • 居室の数が多い
  • 各部屋へ行くための廊下が長い

このような場合、通路として使われる面積が増えるため、居室そのものに使える面積は小さくなります。

一方で、

  • 廊下をできるだけまとめた間取り
  • 部屋同士をつなげて使う構成

では、同じ延床面積でも、 生活の中心となる空間を広く確保しやすくなります。

ここで押さえておきたいのは、どちらも㎡としては正しい、という点です。
延床面積は同じでも、面積の使い方によって、体感は変わります。

「㎡」は、床を真上から見た二次元(2D)の数量です。
一方で、私たちが暮らしの中で感じている広さは、天井の高さや視線の抜けを含んだ、三次元(3D)の空間です。

この二つは、そもそも測っている次元が違います。
「㎡」では、空間をどう感じるかまでは、測れない。
だから、同じ延床〇㎡でも、家によって広く感じたり、窮屈に感じたりする差が生まれます。
この違いが、「数字は同じなのに、印象が違う」と感じる理由です。

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これからの「〇㎡」の確認方法

ここまでを踏まえると、「延床〇㎡」等の「㎡」という数字は、正しいけれど、万能ではないことが分かります。
だから大切なのは、「㎡」を増やすか減らすかではなく、その㎡がどこにどう配分されているのかを確認することです。
例えば、

  • 生活の中心となる空間に、どれくらいの面積が割かれているか
  • 廊下や通路に、どれくらいの面積が使われているか

こうした配分を見ることで、自然と空間に余裕があるかどうかの構成が見えてきます。

生活空間にまとまった面積が取れていれば、天井を高くしたり、視線が奥まで抜ける構成をつくりやすくなります。
反対に、通路や細かく分けた部屋が多いと、同じ延床面積でも、空間はタイトに感じやすくなります。
「㎡」は、家を比較したり、条件を整理したりするための共通の基準として、とても役に立つ数字です。
ただし、その数字だけを見て「広い・狭い」を判断するものではありません。

まとめ|「㎡」は判断の材料であって、答えではない

「㎡」は、建築基準法や設計の世界では欠かせない数字です。
ですがそれは、家づくりの答えを出すための数字ではありません。

床の量を示す二次元の数字と、空間を体感する三次元の感覚。
この二つは、そもそも別のものです。

だからこそ、「延床〇㎡」という数字を見たときは、それを結論にせず、考えるための起点として捉えてみてください。数字に振り回されず、空間そのものを見る。
その視点があるだけで、家づくりの見え方は、少し変わってくるはずです。

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